終戦記念日 各地で行動
「戦争しない」決意新た
北海道/宮城/岩手/青森/秋田/山形
終戦から71年を迎えた15日、戦争法廃止、憲法守れと、各地で宣伝、署名などに多彩に取り組みました。(福島県の行動は既報)
力合わせて憲法守る/札幌
日本共産党北海道委員会は札幌市の地下鉄東区役所前で街頭宣伝を行いました。猛暑の中、「野党共闘でチェンジ」と書かれたプラスターやのぼりを持った支持者ら約40人が参加しました。
司会の平岡だいすけ札幌市議に紹介された紙智子参院議員は、参院選直後に「自分の任期中に明文改憲を果たしたいと思うのは当然」と述べた安倍首相の姿勢を批判し「前進した共産党の力を生かし、統一してたたかった議員のみなさんとも力を合わせて大奮闘します」と訴えました。
畠山和也衆院議員は戦争体験者の「一軒一軒配布された新しい憲法をじっくり読み、日本は戦争しなくていいんだと本当にうれしかった」という話を紹介し、「力を合わせて安倍政権から憲法を守る時だ」と呼びかけました。森つねと道国政相談室長も参加しました。
演説を聞いた山場敬子さん(72)は「憲法9条と25条を国民の心にとどめて戦争しないという声を広げていってほしい」と話しました。
「赤紙」配布、反戦訴え/旭川
北海道の旭川労働組合総連合、原水爆禁止道北協議会、旭川平和委員会は、旭川市の2条買物公園で「赤紙」(旧日本軍の召集令状)の複製を配布し、戦争反対、憲法を守ろうと呼びかけました。
5人がリレートーク。旭労連の平山沙織さんは牧師だった祖父の戦争体験を紹介し、自身が引き継いだ「二度と戦争を起こしてはならない」との強い思いを訴えました。道北原水協の石川厚子さん(日本共産党旭川市議)は南スーダン派遣中の自衛隊をとりまく危険性と自民党改憲草案の中身を批判しました。
道行く市民や観光客が次々と「赤紙」を受け取り、読んでいました。通行中の乗用車が路肩に止まり、運転席から「1枚ちょうだい」と声がかかる一幕もありました。
宣伝には、日本共産党の能登谷繁、真嶋隆英両旭川市議も参加しました。
改憲の動き断固反対/札幌
治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟の北海道本部と札幌支部は、炎天下の札幌市の中心街で「終戦71年、日本の平和と安全は憲法9条で守ろう」と訴えました。
日本共産党の小形香織札幌市議が「再び戦争はしないと誓ったはずの日本が、安倍政権の戦争法施行により、戦争をする国にされようとしている。完全に変貌させるため改憲の動きが強まっている。断固として反対しましょう」と訴えました。
国賠同盟会員や道労連の組合員など十数人がビラを配布し、治安維持法犠牲者に国家賠償法の制定を求める請願署名を訴えました。三十数人が足を止め、「頑張ってください」と声を掛け、署名に応じました。
戦争法の廃止を訴え/宮城
宮城県では、平和・民主・革新の日本をめざす宮城の会(宮城・革新懇)が仙台市内で「ふたたび戦争をくり返させないつどい」を開き、75人が参加し、集会後、「戦争法を廃止しよう」と訴え、デモ行進しました。
富樫昌良常任世話人は「つどいが36回を迎え、全国に広がる憲法を守ろう、戦争法を廃止しようという願いと重なる、重要な議論をつないできた」とあいさつしました。
日弁連・人権擁護委員会委員長などを務めた青木正芳氏が講演し、東京大空襲、仙台空襲、原爆投下、沖縄戦など、戦争体験を多角的に語り、「正義の戦争などないと整理する必要がある」と指摘しました。
ポツダム宣言、降伏文書について「文章の中の日本民族全体を否定的にみるのではなくて、否定されたのは軍国主義者であったことを確認する必要がある」と強調し、「憲法前文と9条が、これらをてこに日本の民主的な活動を集約したものとして文章化されたものではないか」と述べました。
9条無理やり変えるな/岩手
岩手県母親大会連絡会(鈴木まき子会長)は盛岡市大通で旧日本軍の召集令状を印刷した「赤紙」を配布し、戦争法廃止の署名を呼びかけました。
鈴木氏らは、国民は安倍政権による改憲を認めたわけではないと強調。憲法9条を守るために声を上げ、行動しようと訴えました。
30分間で43人が署名。30歳の女性会社員は「与党が多数でも憲法9条を無理やり変えるのはダメだ」と語気を強め、高齢の男性は「小学2年生で終戦を迎えたが、防空壕(ごう)へ逃げた記憶がある」と話しました。
赤紙を手にした女子高校生らは、参加者から「これが届いた人はいや応なく戦場へ行かされた」と聞き、驚いていました。
野党共闘前進さらに/青森
青森県の日本共産党は地方議員を先頭に各地で街頭演説を行いました。
青森市新町では高橋千鶴子衆院議員が、吉俣洋東青地区委員長、赤平勇人・民青県委員長、藤原浩平青森市議と演説しました。
高橋議員は9条2項を削除し「国防軍」創設を明確にしている自民党改憲草案をもとに、改憲論議を進めようと狙う安倍政権を批判。
宮城県大崎市での党創立94周年記念集会で、野党共闘でたたかった参院選を経て、自民党を支えてきた保守からも共産党への期待が寄せられたことを紹介し、野党共闘を前進させるとともに、共産党を丸ごと語り、大きくしたいと語りました。
吉俣地区委員長は南スーダンへのPKO派遣の問題をあげ、「自衛隊員を不戦の誓いに背く道に出発させてはいけない。戦争法廃止の世論を広げよう」と呼びかけました。
赤平委員長は「戦争に駆り出されるのは青年。一人ひとりが声をあげ、戦争法を廃止させよう」と訴えました。
「戦争する国」許さぬ/秋田
日本共産党秋田県委員会と各地区委員会は、県内各地で街頭宣伝を行いました。
県委員会、秋田地区委員会は秋田市のJR秋田駅前で、米田吉正県委員長、加賀屋千鶴子県議、佐藤純子・鈴木知両秋田市議、齋藤大悟党県青年・学生対策委員会責任者が街頭に立ち、アジア・太平洋戦争の惨禍と、過ちを繰り返さないとの反省の上に憲法と9条が生まれたことを強調しました。
「国際問題は武力では解決できないし、オリンピックも平和の中でなければ成り立ちません。憲法ないがしろの戦争法に続き安倍政権が狙う憲法改悪、『海外で戦争する国づくり』を許さないため、皆さんと一緒に全力で頑張る」と訴えました。
バス待ちの男性が演説を熱心に聞いたり、「応援している、頑張って」と駆け寄る女性やクラクションを鳴らし車から手を振る人もいるなど、多くの激励を受けました。
12団体が集会、デモ/青森
青森県九条の会、青森ペンクラブ、コープあおもり、日本共産党、社民党など12団体は「8・15青森平和集会」を青森市駅前公園で開き、「戦争いやだ」「9条LOVE」などのプラカードを手にした市民ら115人が参加しました。
県九条の会の金澤茂共同代表が、参院選で改憲勢力が3分の2の議席を占めたことに対し、「私たちは世界最高の憲法を死に物狂いで守らなければならない」と、決意表明しました。
民進党の升田世喜男衆院議員、日本共産党の高橋千鶴子衆院議員、社民党の三上武志県連代表も連帯あいさつしました。
集会後、市内をパレードし、「世界に誇れる9条守ろう」とアピールしました。
政治的立場を超えて/山形
日本共産党の渡辺ゆり子県議と山形市議団は、山形市内で平和憲法を守ろうと呼びかけました。 lang="EN-US">
渡辺県議、山形市議の今野誠一、阿曽隆の両氏と石山浩行県青年学生対策委員が、戦争法によって南スーダンに派遣されている自衛隊の任務が拡大され戦闘行為に巻き込まれ、殺し殺される危険が高まっていると指摘しました。
安倍首相は明文改憲をしようとしていると批判し、思想信条、政治的立場を超えて共同して憲法を守ろうと呼びかけました。
お盆でにぎわう商店街での訴えに、立ち止まって訴えを聞く市民、車中から手を振って声援するドライバーもいました。
歌声響かせ走れ平和号/札幌市電/核兵器廃絶アピール
北海道のさっぽろ平和行動実行委員会は、市電(路面電車)1両を借り切って環状線を1周する「8・15走れ平和号」で反戦平和をアピールしました。
千羽鶴やポスターでにぎやかに飾り付けられた「平和号」は15日の昼すぎ、80人を乗せて、すすきの駅を出発。車内には「青い空は」や「折り鶴」、「花は咲く」などの歌声が響き渡りました。
小学生のとき長崎で被爆した広田凱則(よしのり)さん(78)が、原爆が投下された直後の様子を生々しく語り「早く核兵器をなくし、平和な世界の実現を」と訴えました。
原水爆禁止世界大会に参加した宮内史織さんは「世界の流れは核兵器廃絶です。国際署名を訴え続けます」と決意を表明しました。
平和号に初めて乗った熊谷通子さん(72)は「被爆者の訴えを聞き、怒りとともに平和の尊さをかみしめました」。高校1年生の中村朝陽(あさひ)さんは「被爆者の話を直接聞いて、核兵器廃絶が人ごとでなく身近な問題になりました」と話していました。
2016年08月17日,「赤旗」