国際的に重要な干潟や湖沼など湿地の保全を図るラムサール条約締約国会議が11月8日、ウガンダであり、県内から串本町沿岸地域が登録された。和歌山では昨年(2004年)、「紀伊山地の霊場と参詣道」が文化遺産として世界遺産に登録されたのに続き、今度は海域の自然が評価された。登録記念式典は11月23日(水)午前9時半から、串本町文化センター、串本海中公園センターで行われる。
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ラムサール条約は、湿地の生態や動植物学上の重要性を認識し、保全、適性利用の促進を目的に1971年、イランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」で採択。日本は1980年に同条約に加入し、これまで釧路湿原(北海道)や琵琶湖(滋賀)など13カ所が登録されていた。今回はこれに串本町沿岸のほか、秋吉台(山口)、中海(鳥取、島根)、阿寒湖(北海道)など国内から20カ所が登録され、近畿では琵琶湖に続き2例目。
登録されたのは、串本町沿岸海域のうち錆浦、潮岬西岸、大島横の通夜島地区の計573ヘクタール。同地域は高緯度ながら黒潮の影響で、サンゴの多様性が高く、熱帯魚類をはじめ多くのサンゴ礁性動物が生息している。また、世界最北の大サンゴ群生域があり、テーブル状のクシハダミドリイシやオオナガレハナサンゴ群落は国内でも最大規模。
登録を受けて木村良樹知事は「大変景色の素晴らしい所で、最近は修学旅行先として注目を受けている。だが、サンゴは壊れやすい。環境を保存しながら多くの人に見てもらえる仕組みを地元の人と一緒に考えていかねばならない」と話した。
newswakayama 2005.11.16(水)号
写真=鮮やかなテーブルサンゴ(県提供)