新春随想
初質問は元特高課長の文相を追及
一九七二年、私が衆議院に初当選して、文教委員会で初めての質問に立った時の相手は奥野誠亮文相でした。「高校三原則(男女共学、学区制、総合性)をきちんと実施してほしい」という私の要求に、大臣が「そんな共産党の方針など取り上げられない」と答えたのです。
事務次官があわててメモを大臣に渡しました。
高校三原則は、アメリカ占領軍・軍政部教育課が進めてきたものだからです。
議事録からは、この部分は削られていました。奥野氏は戦前、鹿児島県警の特高課長として辣腕をふるった人で、「溶岩に苔古り椿赤く咲く」という風景を俳句にした人を、「赤く咲く」は共産党のことだと言って逮捕したという逸話があります。従軍慰安婦問題では「商行為」だと言いました。
公職追放になるべき人をたくさん温存してきた自民党政治が、今、崩れ始めています。日本も世界も変わり始めているという手ごたえの中で迎える新年は、かつてないものです。
(副会長・元衆院議員栗田翠)