秋空のもと マストは高く
10月13日、快晴、風よし、人よし、乗り物よし(なんと大型の2階型客席)。
定刻より少し遅れて、8時40分、参加者26人を乗せてJR和歌山駅東口を出発。
いい日旅立ちの予感。途中順調に走行。座席高く見晴らしよし。予定通り和泉市黒鳥山公園に到着。
“不屈の反戦平和の兵士”をたたえる立派な碑の前で、このバスツアーのためにお世話下さった大阪府同盟の尾崎孝三郎副会長から阪口喜一郎氏の経歴やこの碑を建立した経過について説明を受け、阪口義喜氏(阪口喜一郎氏の甥御さん)のご案内でお墓にお参りした。
戦前の天皇制権力の下で、海軍兵士に新聞「聳ゆるマスト」で反戦を呼びかけ果敢に活動。憲兵・特高の追及、弾圧を受けて1932年過酷な拷問のすえ獄死。このとき少年だった甥御さんは、大人たちと一緒にその遺骨をひきとりにいかれ、阪口家の墓地に埋葬されたとのこと。当時、非国民呼ばわりされるはずの喜一郎さんを、この在所の人たちは暖かく迎えてくれたという。
参加者全員、胸を熱くしながら「赤旗」をうたい、線香と花を手向けて黙祷した。(反戦平和の戦士阪口喜一郎の詳細は、山岸一章著『聳ゆるマスト』をぜひお読み下さい。
これも、黒鳥町にお住まいの寺田茂氏(元和泉市議)のご尽力で、お世話いただいた松尾寺でお昼弁当を食べたあと、尾崎孝三郎氏から「阪口喜一郎」氏についての学習講演を聞き、惨憺たる暗黒時代にも、社会変革の志たかく闘われた先覚者たちの命の重みをかみしめ志の継承を誓った。
午後は、平和なればこそ味わえる芸術の秋を満喫。和泉の綿織物豪商久保惣が収集した歴史的逸品の数々を拝見しながら、自身の日常生活とは縁遠いものの、いっときの芸術文化に浸ることができた。
午後5時、予定通りの帰和。病人も事故もなく、全員、家路に向かいました。ご参加の皆さん、お疲れ様でした。来年はどこがいいでしょうね。あとになりましたが、このバスツアーの成功のために下見などのご尽力いただいたみなさんにお礼申し上げます(そして、またよろしくおねがいします。) (M.S)