「立憲主義の堅持と日本国憲法の基本原理の尊重を求める宣言」を可決、承認
日弁連の人権擁護大会閉会
日弁連の第四十八回人権擁護大会は十一日、鳥取市の県民文化会館であり、「立憲主義の堅持と日本国憲法の基本原理の尊重を求める宣言」を可決、承認し、閉会した。
宣言は「日本国憲法のよって立つ理念と基本原理として三点を確認した」として(1)最高法規として国家権力を制限する立憲主義(2)国民主権と人権保障(3)恒久平和主義-を挙げ、改憲論の中の集団的自衛権の行使などに危惧(きぐ)を表明している。
大会では(3)の「恒久平和主義」が問題となり、会員からは「九条一項の戦争放棄だけを指すとしたら自民党の新憲法草案と同じではないか。二項の戦力不保持も明言すべきだ」とした意見が相次いだ。
案をまとめた児玉公男第一憲法分科会実行委員会委員長は「日弁連は強制加入団体なので、さまざまな考えがある。会として二項については言及しないことにしている」とした上で、宣言文の「九条の戦力不保持という徹底した恒久平和主義は、世界に誇り得る先駆的意義を有する」との文言を指摘し、「この部分を重く受け止めていただきたい」と、理解を求めた。
宣言は賛成四百八十、反対百一、棄権四十七で可決した。
大会後、梶谷剛日弁連会長は「憲法議論を深化させていくための第一歩踏み出したととらえてほしい」と語った。
山陰新聞 2005.11.12