おはようニュース問答
麻生副総理が「ナチスに学べ」。
ひどい暴言だ
みどり
麻生太郎副総理が講演で憲法改悪に関してナチス・ドイツを引き合いに出して「手口を学んだらどうかね」と話したんだってね。ナチスはワイマール憲法を機能停止させ、独裁体制を築き、侵略戦争や600万人を殺害したといわれるホロコースト(ユダヤ人などの大量虐殺)といった数々の戦争犯罪を引き起こした。
各国が強く批判
晴男 本当にひどい暴言だ。世界各国から批判が相次いでいるんだろう。
みどり 朝鮮日報は7月31日付の「ナチス式の憲法改正に言及した日本の極右政治家」とした社説で「いかなる場合でも『ナチスの手口を参考に』などと語るべきでないことくらいは分かるはずだ。それが政治指導者に求められる最低限の常識であり教養だ」と断じている。
晴男 麻生氏は政治家の最低限の常識や教養すら持ち合わせていないという厳しい批判だね。米国のユダヤ人人権団体も批判声明を出している。
みどり 中国外務省の洪磊・副報道局長も声明を出して「日本の指導者がナチスをまねて憲法改正の手続きを進めようと公然と述べたことは、アジアの近隣諸国と国際社会の日本に対する関心と警戒心を引き起こさざるを得ない」とした。
晴男 ドイツの反応はどう?
みどり ドイツの週刊紙ツァイト(電子版)が「ナチスの時代を肯定する発言で国際的な怒りを買った」と伝えたと報じられている。
晴男 ドイツでは戦後、ナチスによる蛮行を徹底して批判・反省する「過去の克服」に取り組み、国際社会に復帰してきた。
撤回ではすまず
みどり 戦後、国際社会はナチス・ドイツや日本が起こした戦争を不正不義の侵略戦争と断罪し、その蛮行を繰り返さないことを土台にしてきた。ナチスの手口を肯定することは政治家の資格が問われる発言だ。
晴男 麻生氏は「例示が誤解を招く結果となったので、ナチス政権を例示としてあげたことは撤回したい」との談話を発表したね。
みどり 撤回すればいいという問題じゃない。
晴男 国会議員にふさわしくないし、首相の任命責任も問われる重大な問題だね。
( 2013年08月02日,「赤旗」)(