水車
東日本大震災から7か月、復興を願う国民の連帯の絆が強まる中で人命の尊さが論じられ、戦後の日本政治の在り様が聞かれます▼そのようなときに山田善二郎氏(国民救接会前会長、82歳)の近著「CIAの犯罪」(学習の友礼)を読んで考えさせられました。海軍の予科練を志願した軍国少年が、人生を変えたのは「1人の日本人の命を救うことからでした」松本清張の「日本の黒い霧」で有名になった「鹿地獄事件」です▼朝鮮戦争の最中、米軍の諜報機関に拉致・監禁された作家鹿地亘氏の救出の顛末は本書にゆずって、山田さんの勇気ある行動は、持ち前の正義感とヒューマンな精神にあると思います▼山田さんは告発します。鹿地事件から半世紀以上も経過したいまなお謀略機関による数々の謀略が、世界の各地で行われている事実を直視して、不正義とたたかった先達の教訓を糧にしてぼしいと。人命を粗末にする“勢力"に厳しい目を注ぎます。(池)
不屈中央版 №448 (1) 2011/10/15号(毎月15日発行)