安曇野ちひろ美術館
安曇野ちひろ美術館は、1997年にちひろの両親が戦後に住んだ、心のふるさとである安曇野の地につくられました。
周囲には36,500㎡の安曇野ちひろ公園が広がり、北アルプスから流れ出る清流、乳川がその脇を流れています。
この美術館は、ちひろの絵に出逢う場所であるとともに、ちひろ美術館が収集してきた世界の絵本画家の作品が展示されているところでもあります。
建物は、日常生活から開放されて、ゆったりとくつろぎながら時をすごせるように設計されています。館内には、落ち着いて絵との対話ができる5つの展示室、絵本の図書室や子どもの部屋、戸外にも出られるカフェ、オリジナルグッズが並んだミュージアムショップなどに加え、2001年にオープンした世界の絵本館には、お花畑と北アルプスを望む多目的ギャラリーが設けられています。
公園には、復元されたちひろの黒姫山荘やチェコの絵本作家クヴィエタ・パツォウスカーがデザインした池や石のオブジェなどがあり、四季おりおりの表情を見せる花や木立の間を散策したり、川辺におりることもできます。
いわさきちひろ
いわさきちひろは、子どもを生涯のテーマとして描き続けた画家でした。
モデルなしで10カ月と1歳のあかちゃんを描き分け、その観察力とデッサン力を駆使して9400点を超える作品のなかに子どものあらゆる姿を描き出しています。
ちひろの作品は、母親として子育てをしながら、子どものスケッチを積み重ねるなかで生まれました。
東洋の伝統的な水墨画の技法にも通じる、にじみやぼかしを生かした独特な水彩画には、若き日に習熟した藤原行成流の書の影響も見られます。
1946年、日本共産党に入党。1950年、松本善明元衆議院議員と結婚。
青春時代に戦争を体験したちひろは、「世界中のこどもみんなに平和としあわせを」ということばを残しています。
ちひろが描いた子どもや花は、今もいのちの輝き
、平和の大切さを語り続けています。