東電の福島原発事故の処理部予断を許さないかが、電力会社の相も変わらぬ体質を露呈させた九州電力玄海原発をめぐる「やらせメール」問題。二大政党制の確立による政権交代ある民主主義を目指すとした「政治改革」や「マニフェスト選挙」が実は「政治の劣化」や「政党の衰退」を引き起こしている、見るに耐えない国会と内閣の運営。今ほどこの国の政治と社会のしくみを根本的に変える必要を、国民が思い知らされているときはないだろう。
米軍基地平原発をそれが今ある地域に押しつけ、受け入れを強いてきた政治と経済は、もはや続けることは許されない。国民の英知を結集して新しい政治と社会のしくみを編み上げていく必要かある。そのために、私は、まずもって、小選挙区中心の現行の衆議院選挙制度を、比例代表中心の制度に改めていくことが全国民的課題であると強調したい。
(東京慈恵会医科大学教授)
不屈 No.446(3) 2011年8月15日(毎月15日発行)