千人以上の犠牲者を出した1945年7月9日の和歌山大空襲から60年を迎えるのに合わせ、市内では9日、戦没者追悼式や追悼法要、合唱や朗読の集いなど、様々な催しが予定される。体験者が高齢化し、風化が進む中、若い世代に戦争を語り継ぐ取り組みは年々、活発になっている。
米軍のB29による空襲は、45年7月9日の深夜から翌日未明にかけて続き、死者1101人、負傷者4438人を出した(和歌山市戦災誌)。住宅を狙った焼夷弾(しょういだん)は800トンに及び、和歌山城も焼失した。
9日午後7時から同市伝法橋南ノ丁の市民会館小ホールで開かれる「7・9和歌山大空襲60周年文化のつどい この空のどこからか」は、和歌山演劇鑑賞会や演劇集団和歌山の主催。
空襲体験者を含むシルバーコーラスグループや少年少女のグループなど市内五つの合唱団が平和を願う曲を合唱し、空襲体験の朗読やスライド、照明効果などを盛りこんだ舞台をつくる。
演劇集団和歌山の楠本幸男さんは「若い人たちに平和の大切さを感じてほしい」と話す。入場料は一般千円、高校生以下500円。問い合わせは和歌山演劇鑑賞会(073・433・1151)へ。
和歌山大空襲に関する9日のほかの主な催しは次の通り。
戦後60年和歌山市戦没者・戦災死者合同追悼式(午前10時、市民会館小ホール)▽和歌山戦災死者追悼法要・遺族大会(午後1時半、同市西汀丁の市汀公園)▽親子戦跡めぐり(午前9時半、市汀公園集合)=事前申し込み必要、問い合わせは073・431・7317▽講演会「和歌山大空襲とその時代」(午後1時半、同市湊本町3丁目の市立博物館)
(アサヒ・コム 7/7)