時の焦点
未来世界へ曙光が
去年の正月号。本欄も年のはじめだから巨視的にと『世界から学ぶ年』としました。
「年越し派遣村」出現という暗澹たる年明けでしたが、春のオバマ大統領のプラハ発言、裏付けとなった米ロ第2次戦略核兵器削減交渉の進展、秋の国連安保理事会での核兵器保有国首脳の二〇一〇年NPT再検討会議の成功をめざす合意など、核兵器廃絶問題では飛躍的に前進し、だれもが未来世界に曙光を見出すことができました。
同盟運動が直接関連する「人権問題」や「戦後補償問題」でも地球的規模の「政権交代」の潮流の中で、国際社会では遠く過去にさかのぼり、広く多様な弾圧、迫害の事例を掘り起こし、政府の公式謝罪や損害賠償、犠牲者の名誉回復が行われた画期的な一年でした。
明けていよいよ二〇一〇年。
世界はこれまでの歴史的成果をより安定的に、より確実なものとするとともに、政治の民主化や人権問題で国際社会では「後進国」の日本の、汚名返上すべき年であります。
時あたかも北朝鮮をふくむ「日韓併合一〇〇年」、「日米安保条約改定五〇年」の重大な節目の年。
過去の歴史の清算として、関東大震災時の大量虐殺はじめ、「従軍慰安婦」問題や、百万人を超える労働者・農民の強制連行、強制労働問題など、国際的戦後補償問題を果たすべきです。
あの安保大闘争から五〇年。
米軍再編や軍事基地問題、アメリカの核の傘から抜け出すとともに、核密約の公開・破棄問題、思いやり予算をふくむ米軍駐留経費問題など、日本国民にとって「諸悪の根源」といわれる日米安保条約を、春のNPT再検討会議や夏の重大な参議院選挙の政治的関心の高まりの中で、真正面に据えて、国民的大討論を展開する好機到来の一年です。